本
老後の資金がありません

独女老後の人生設計についても、ぼんやりと描いているが、その通りに行くとは限らず、確信もなく『なんだかなぁ~』と、時に思う事もある。
そんな時、ブックオフにて、100円でゲットしたのが、

「老後の資金がありません」
著:垣谷 美雨 中公文庫
とっても惹かれた、このタイトル!
主人公となるのは、50代の主婦。「老後は安泰」と思っていた所、娘の派手婚費用や舅の葬式に、将来のために蓄えたお金がまたたくまに、飛んでいく。毎月、親への仕送りもあるというのに、夫婦ともども無職となり、アテにしてい退職金もなく、さて、どうなるのか・・・?
親戚や友達の話も織り交ぜ、テンポよく状況は展開していく。読みながら『そうよ!そうよ!そうなのよっ!!』と共感するところも多く面白い。私としては、100円以上の価値のあった本でした。
「お金がない」「お金に困る」という話題がちらほら出てくるものの、暗く重い深刻さが感じられなかったのは、作者のすごいテクニックだなぁ~と。
断捨離という言葉があるけれど、捨てるものは、物だけじゃないって事なのね~。自尊心や執着心など、心のお片付けもして、老後に備えなければっ!という気にもさせられた。
環境や人間関係等、人それぞれ違うけれど、この本を読んで思ったのは、
老後の資金は、殻を破り、見栄を張らず、プライドひとつでどうとでもなる!
という結論が私の中に生まれた。
(あまり好きではなかった)室井佑月さんの解説にも、妙に説得力が感じられ、3センチ程だが、少し心の距離も縮んだ気がする。
とにかく、とても気持ちよく、スカッ!となった面白い本でした。