本
「蜜蜂と遠雷」&「祝祭と予感」そして装丁

著:恩田 陸 幻冬舎
サクッというと、ピアノコンテストの話。
この本は、コンテストの様子をコンテスタントの心情はもちろんのこと、審査員、レポーター、パートナー等さまざまな立場から、角度から、見て取れるのはとても面白い。メイン4人のコンテスタント、各々のプレッシャーなども見事に描かれていた。
ゾクゾクワクワクしながら読めるが、コンテストというだけあって、読み手にもなぜか気合がはいる。
実は、この本「蜜蜂と遠雷」は、二度目。
3年前に一度読んでいて、その時は、出てくる曲名をYouTubeで探し、音楽も確認しながらゆっくりじっくり、時間をかけて読み終えた。素晴らしかった。
そして、最近、甥が貸してくれた、「蜜蜂と遠雷」の登場人物の知られざる話が書かれているいわば番外編のような「祝祭と予感」を手にした際、『これは、もう一度読み直して、じっくり満喫したいところ・・・』と、半月ほどかかって、2冊を読み終えた。
気持ちよく、心地よい心境となり、良かった・・・。
良かったのは、本の内容だけじゃない。

表紙がね、カバーをとると、黒光りの装丁!
まさにグランドピアノを連想させる。まるで、読書中、読者も手の中にピアノがあるような錯覚を得られる、作り手の粋な計らいである。
ずっと手元に置いておきたい一冊になった。