本
消滅(上・下)

内容をザックリ聞くと、「空港のターミナルで、11人が、隔離されて過ごすっていうのん」と言い、興味湧いたので、貸してもらった。

「消滅(上・下)」
恩田 陸 幻冬舎文庫
上巻半分は、登場人物それぞれのプロフィール的なことや性格などが書かれてあり、『さあ、駒は揃ったっ!』という所迄読んで、改めて、一から読み直し、今度は、メモ帳にそれぞれの特徴を書き、しっかり登場人物のイメージが出来たところで、11人の中にいるテロリストを見つけるミッションに、私も同席させてもらっていた気分を味わう。
読み続けていくにつれ、どんどん引き込まれていく。
どんどん、どんどん・・・
どうなる? テロはこいつか? 消滅の意味は・・・? と、頭の中にいくつもの「?」を作りながら、どんどん・・・
そして、「?」がすべて消し去られた最後、この上ない達成感が湧いてきた。読み終えた達成感もあるが、難問をすべてクリアー出来た時の感覚に近い。
読み応え十二分にあった本でした。
11人の容疑者(?)のお世話係的な感じで、AIの女の子・キャスリンが出てくる。人と変わらぬ容姿を持ち、情報処理能力に長け、その上、言葉遣いが、おちゃめな女の子。科学の進歩って、すごい!近い将来当たり前に、キャスリンのようなAIが活躍する時代がやってくるのかと思うと、スゴイような、怖いような・・・そんな気もしました。
文中に、感染症の話も出てくる。今、コロナ禍で、世界中が感染に脅かされている中、とてもタイムリーな話である。恩田氏が、この本を書かれたのは、遅くても2014年頃だと思われる。凄くないですか?まるで、2020年を予期していたかのよう・・・