本
ツバキ文具店とキラキラ共和国

糸ちゃんとの出会いも、毎日新聞。
3年ほど前に、日曜版の紙面に「日曜ですよ!」というタイトルのエッセイがあり、読んでました。
ドイツに移住したすぐの頃だったのか、ドイツの日曜日の風景や習慣、食べ物のことなど、ゆっくり過ごす日曜日にちょうどいい感じの話で、読んでいても、どこか和み『今日という日曜日を有意義に過ごそう!』という気分になっていました。
途中、糸ちゃんの亡くなったお母さまの話になり、小川家母娘には、確執があったようで、そういう母娘もいるんだなぁ~と、母の看病をしている時と重なっていたこともあり、『私のとこは、こんなに仲良し親子なのに・・・』と、対照的だった母娘模様に感慨深く思ったものでした。このエッセイ集は「針と糸」というタイトルで毎日出版社から単行本が出ています。
介護で母につきっきりだった頃、栄養や介護食について調べてみようと本屋に行った時、「ツバキ文具店」が目に入った。表紙のイラストが、やんわり和むのに惹かれて手にとり、中をパラパラしてみると、鎌倉の地図があり、その地図がまた、かわいい!
そして、母の終末期、病室のインテリアになった。時には、私の沈む気持ちを浮上してくれたり、3度訪れたことのある鎌倉に想いを馳せ、静かな病室に潮風を感じる想像が出来たり、いろんな物や人に、出さないお手紙を書いてみるきっかけをもらったり・・・と、母との最期の時間を過ごす思い出の一冊となりました。

「ツバキ文具店」のお話は、主人公・鳩子が、昭和の時代によくいたと聞いた厳しい祖母が営んでいた文具店と代筆業を受け継いでからのお話。最初の代筆のお仕事は、カルピスが猿に宛てた手紙。カルピスは、人のあだ名です。この本の登場人物は、ほぼあだ名。それが、架空の世界っぽいけど、ちゃんと鎌倉という背景があるので、浮いた感じにならず、あだ名からその人物像が自分のイメージとして作りやすく、上品なコミカル劇場といった感じ。
「キラキラ共和国」のお話は、「ツバキ文具店」の続き。鳩子が結婚してからのお話。実はこの本、2年前に出版になって、すぐに買ってはみたものの『なんとなく・・・今じゃないって感じ・・・』と思い、クローゼットの中であたためていた。読める時が来るのを待っていたというか、買ってすぐに(読みたいけれど)読んではいけないような気がしてました。
6月の月命日に、母の三回忌を終え、当面、行事や予定もなくポケェ~と過ごしていた頃、閃いたかのように、キラキラをクローゼットから取り出し読んでみました。
糸ちゃんマジックとでも言いましょうか、どちらの本も読み終わった後、お手紙を書きたい!!という衝動にかられる。季節の移り変わり、人とのかかわり、食べ物との付き合い方・・・、自分の元にやってくる全ての事、一日一日、ひとつひとつ、大切にしょうと思わせられます。
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糸ちゃんへ
こんにちは。そちら、ドイツでは、最高気温が41~2度と暑い夏を過ごされているそうですね。私の住む大阪は、先日梅雨が明け、これから本格的な暑さがやってきます。
本当は、鳩居堂のかわいい便箋でお手紙したかったのですが、いろいろ諸事情があり、ブログでのお手紙になったことおゆるしください。
今年のゴールデンウィークの頃、近所のスーパーで、巨大なホワイトアスパラを見かけました。
アスパラガスは緑も白も好きですが、大根か?!と思えるほどのアスパラをどう調理していいかわからず、通り過ぎました。それから、しばらくしたら、糸ちゃんのブログ(糸通信 http://ogawa-ito.com/ )で、ホワイトアスパラガスの話があり、『そうやって食べるのかぁ~!!』と感心してました。今度見つけたら、‘おひたし’作ってみます。生ハムと食べるのもおいしそうでした。
「キラキラ共和国」楽しく読ませていただきました。鳩子は、相変わらず素敵で、QPちゃんもかわいい!で、さっそくですが、次作というか、続きはありますよね?男爵のお手紙の内容がどういうものになったのか気になるし、レディ・ババのその後の展開も想像つかないし、QPちゃんに妹か弟ができるかどうか・・・?
気になって、夜も寝られないっ!!わけじゃないですが、それなりに、次の出版を楽しみにしています。
今、このお手紙を書いていて気づきました。キラキラ共和国をあたためていた理由・・・
三回忌も終えたことだし、母を亡くした悲しみと寂しさを持って暮らす生活をそろそろ卒業し、自分の後半の人生をより良く楽しみながら、日々大切に過ごしていくことを選択するきっかけを与えるためだったんじゃないかな~?
と思えてくるのです。これからの私の人生のヒントがいっぱい詰まっているキラキラ共和国!私も、身近にあるキラキラを探してみまーす(^^)/~~~
* * * * * Kannon